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収集したデータの活用方法


 大学IRコンソーシアムで運用するIRシステム(IRiS)では、大学間で共通のデータを収集し簡易な集計結果を提供しています。簡易な集計結果とは、具体的には学生調査の質問項目の集計や、学生調査と学生環境データ(教務情報や大学基本情報)を組み合わせた集計を指します。(IRシステム(IRiS)の集計項目リストの例はこちら


ベンチマーキングを行う Benchmarking

ベンチマークのイメージ  本来、ベンチマークとは、高低測量の標高の基準となる水準点を指すことばですが、転じて、判断の基準、比較のために用いる指標という意味でも使われるようになりました。
 ビジネスの世界でも、業務のプロセスや製品・サービスなどを継続的に測定し、評価指標を比較・分析することをつうじて自社の経営改善につなげる手法として、ベンチマークが導入されています。ビジネスにおける評価指標(ベンチマーク)は、他分野の優良企業(ベストプラクティス)の場合もあれば達成目標の場合もあります。
 大学IRコンソーシアムでは、学生調査に参加している会員校全体の集計結果やベンチマーキンググループの集計結果を一種の評価指標(ベンチマーク)と考えています。
 本コンソーシアムの会員校はIRシステム(IRiS)の相互比較機能をつうじて、自大学と会員校全体、自大学とベンチマーキンググループの集計結果を相互比較することができます。この相互比較機能を使って、自大学の現状を自己評価することはもちろん、一定の条件を満たせば、コンソーシアム会員校内部で相互評価することも可能です。なお、相互比較機能をお使いいただくにはIRシステム(IRiS)に会員校専用のアカウントでログインする必要があります。一般ユーザはこの機能をお使いいただけません。
 IRシステム(IRiS)における相互比較機能は、各項目について自大学の集計結果と会員校全体あるいはベンチマーキンググループの集計結果を並べて表示する、という極めてシンプルなものです。シンプルな表示だからこそ、誰もが簡単に自大学の特徴を確認することができます。たとえば、本コンソーシアム会員校全体に比べると「図書館の利用頻度が高い」、「授業時間外に、他の学生と一緒に勉強する学生が少ない」、「アルバイト時間が短い」などを自大学の学生の特徴を数値的にとらえることが可能です。この機能は、個別大学の結果を本コンソーシアム会員校全体やベンチマーキンググループと比較し、自大学の相対的な位置づけを調べるために開発しました。そして、この複数大学間の比較をつうじて、個別大学の教育課程の充実へと結びつけ、質保証の枠組みの整備に貢献していくことを目指しています。本コンソーシアム会員校のランキングをつくることを目的としたものではありません。
 この相互比較の結果は、認証評価や法人評価、自己評価等の各大学の評価資料のエビデンスデータとしてお使いいただけます。IRシステム(IRiS)上では集計結果を比較したものが表示されますが、その結果から何を読みとり、どのように解釈し意味づけるかは、各大学にお任せしております。また、IRシステム(IRiS)では簡易な集計結果を提供しているものの、多変量解析などのより詳細な分析が必要な場合には、各大学内部で独自に進めていただくことになります。

(例1)自大学の特徴 ―強み

ベンチマークの例1  たとえば、「授業課題のために図書館の資料を利用した頻度」について、右図(架空データ)のような相互比較の結果が得られたと仮定します。この相互比較の結果から、どのようなことが読みとれるでしょうか。大学IRコンソーシアムの会員校全体に比べて、この大学の学生は授業課題のために図書館の資料を利用する学生の割合が高いことがわかります。この大学では、学生が授業課題に取り組むうえで有効な資料が充実していることや、図書館が学生の学習(あるいは学修)施設として十分に機能していると推測されます。
 ただし、このような結果になった理由については、IRシステム(IRiS)で提供していません。この相互比較の結果の理由や意味づけについては、各大学の教学システムや実践しているプログラムなどと結びつけて考えることになります。この大学では、学生が各種資料を見つけやすいように蔵書が並べられているのかもしれませんし、高機能な蔵書検索システムが整備されているのかもしれません。これ以外にも、学生が図書館を利用しやすいように独自の工夫を行っている可能性もあります。こういった個別の事情を加味した解釈は、各大学の内部で行っていただくことになります。


(例2)自大学の特徴 ―弱み?

ベンチマークの例2  仮に、「授業時間外に、他の学生と一緒に勉強した頻度」について、右図(架空データ)のような相互比較の結果が得られたとしましょう。大学IRコンソーシアムの会員校全体に比べて、この大学の学生は授業時間外に、他の学生と一緒に勉強する頻度が低いことが示されています。もしかしたら、学内に学生同士が一緒に勉強する設備が少ないために、このような結果が得られたのかもしれません。その場合には、授業時間外に学生が自由に利用できる学習スペースを確保するなど、学習環境の整備が求められるでしょう。
 しかし、学生同士で一緒に勉強することが少ないことは必ずしも問題とはいえません。この大学の学生は、図書館などに自習スペースが整備されているので、ひとりで勉強する頻度が高くなった可能性もあります。このように、相互比較の結果を取り入れることで、エビデンスに基づいた自己点検、自己評価が可能になると考えられます。



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