事業内容



シンポジウム 2010年度実施

開催趣旨

甲南大学 岡本キャンパスにおいて2011年3月2日(水)に、同志社大学・北海道大学・大阪府立大学・甲南大学の国公私立4大学主催によるIRシンポジウムを開催いたしました。

本事業では大学教育の質保証システムの整備を目指し、同志社大学、北海道大学、大阪府立大学、甲南大学が連携して、学生調査を軸とした客観的なデータに基づいて教育の現状を評価するIR(Institutional Research)機能の充実、IRを活用した連携大学間での相互評価、その評価結果を学生の学習時間の確保、単位制度の実質化に結びつける教育環境の整備を進めています。

IRとは、個別大学内の様々な情報を収集して、数値化・可視化し、評価指標として管理し、その分析結果を教育・研究、学生支援、経営等に活用することを指します。IRの機能は多岐にわたりますが、例えば個別大学内での改善のための調査・分析や、IR先進国ですでに行われているベンチマーキングのための調査・分析などがあげられます。私ども4大学の連携プログラムでは、調査・分析機能を複数機関間の「相互評価」による自機関の相対的な位置づけとして活用することを目的としています。

具体的な取り組みとして、大学教育の質保証システムの整備に向け、学生に関する教務情報と学生調査等の客観的な評価データを総合的に分析し、その結果に基づく現状評価と「相互評価」を行うことで学生本位の教育改善を進めることを目指しています。学生に対する教育効果、学生の学習成果を測定し、その改善の過程を多くの大学が共有することにより、より良い教育環境を提供し、教育方法等を開発していくことは、高等教育全般の質の向上のためにも重要です。本事業では、このような評価文化を国内に広げ、IRを基盤とした全国規模の大学コミュニティづくりに向けて、連携大学が協力してIR人材育成を進めることを最終目標としています。

教育学術新聞より

同志社大学、北海道大学、大阪府立大学、甲南大学は3月2日、甲南大学において「相互評価に基づく学士課程教育質保証システムの創出―国公私立4大学IRネットワーク“IRシンポジウム”」を開催した。21年に採択された「大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム」の一環で、天野郁夫東京大学名誉教授をはじめ、4人の講師による講演などが行なわれた。IRはInstitutional Researchの略。

はじめに高阪薫甲南大学学長による開催挨拶の後、本取組研究代表の山田礼子同志社大学社会学部教授、高等教育・学生研究センターセンター長が、採択以来これまでの実績と、完成間近のIRシステムによる大学連携IRネットワークを紹介した。

続いて4氏による講演が行なわれた。天野氏は「変貌する日本の質保証システム」と題して、次の認証評価サイクルが始まろうとする今、最も大事なのは自己点検評価であり、それを支えるIRの重要性を指摘した。

フレッド・ヴォルクワイン・ペンシルバニア州立大学名誉教授からは、全米IR調査を通じた米国のIRの現状に関する知見が紹介され、IR導入に際しての卒業生調査の重要性が指摘された。

パトリック・テレンジーニ・ペンシルバニア州立大学名誉教授からは、教育効果測定と学生の成長に関する講演が行われ、初年次教育の重要性が指摘された。

また、榎本剛文部科学省高等教育局高等教育政策室長が「大学教育の課題について」と題して登壇し、現在の高等教育政策の動向とともに、同IRネットワークを通じた質保証への大学間連携とコンソーシアム化への期待を述べた。

最後に、高橋哲也大阪府立大学総合教育研究機構教授を司会に迎えパネル・ディスカッションが行われた。テレンジーニ氏からはファカルティとアドミニストレーターの信頼関係の構築が、ヴォルクワイン氏からはその第一歩としての校友会の協力が、さらに天野氏からは、マネジメントとファカルティの双方がIRに関して理解を進めることが経営のみならず日本の大学教育の改善に資すること等が指摘され、活発な議論が展開された。

ヴォルクワイン氏との共同研究で日米IR調査を行い、今回のシンポジウムの企画運営を担当した江原昭博同志社大学高等教育・学生研究センター研究員によると、IRネットワークに対する反響は非常に大きく、今後は次回開催するIR人材育成ワークショップや最終報告を兼ねた国際シンポジウムを通じて、同ネットワークのコンソーシアム化に向けた展開を目指す考えとのことである。

(平成23年4月6日(水)の記事より転載)

開催概要

日時 2011年3月2日(水) 12:30~17:30 [受付開始:12:00]
場所 甲南大学 岡本キャンパス
142講義室(1号館4階)

講演内容

高阪 薫 氏
挨拶: 高阪 薫 氏(甲南大学 学長)

開会挨拶

山田 礼子 氏
取組代表者: 山田 礼子 氏
(同志社大学 社会学部教授
高等教育・学生研究センター長)

取組紹介

天野 郁夫 氏
講師: 天野 郁夫 氏
(東京大学 名誉教授)

【基調講演テーマ】
変貌する日本の質保証システム

フレッド・ヴォルクワイン 氏
講師: フレッド・ヴォルクワイン 氏
Dr. J. Fredericks Volkwein
(ペンシルベニア州立大学 名誉教授)

【講演テーマ】
Navigating the Winds of Change:
Coping with the Challenges of Institutional Research

パトリック・テレンジーニ 氏
講師: パトリック・テレンジーニ 氏
Dr. Patrick Terenzini
(ペンシルベニア州立大学 名誉教授)

【講演テーマ】
MISSING THE FOREST FOR THE TREES:
Rethinking What Influences Student Learning

講師: 榎本 剛 氏
(文部科学省高等教育局 高等教育政策室長)

【講演テーマ】
大学教育の課題について

会場風景

コーディネーター

江原 昭博氏
同志社大学 高等教育・学生研究センター 特別研究員

主催

同志社大学、北海道大学、大阪府立大学、甲南大学

プログラム

12:00~12:30 受付  
12:30~12:45 挨拶 高阪 薫 氏 (甲南大学 学長)
12:45~13:15 取組紹介 山田 礼子 氏
(同志社大学 社会学部教授、 高等教育・学生研究センター長)
13:15~14:00 基調講演 天野 郁夫 氏(東京大学 名誉教授)
14:00~15:00 講演 フレッド・ヴォルクワイン 氏
(ペンシルバニア州立大学 名誉教授)
15:00~16:00 講演 パトリック・テレンジーニ 氏
(ペンシルバニア州立大学 名誉教授)
16:00~16:30 講演 榎本 剛 氏
(文部科学省 高等教育局 高等教育政策室長)
16:30~17:30 パネルディスカッション
  司会 高橋 哲也 氏(大阪府立大学 総合教育研究機構教授)

同時通訳付

お問い合せ先

同志社大学 高等教育・学生研究センター事務局

開催案内(PDF)